ァシリテーターの役割

うさこ 「で、たぬき先生。結局ファシリテーターって何する人なの?
 なんだかわかったような、わからないような…」
たぬき 「そうだね、さっきの説明じゃちょっと抽象的かな。
 じゃあもっとわかりやすくイメージしてみよう。
 例えば会議で飛び交う意見を、道路で走っている車にたとえてみよう
 大きな交差点、これが会議の場だ。
 さて、この交差点に信号もなく無秩序に車が走ったら、どうなるかな?」
コン太 「そりゃ、衝突事故なんかがおきたり、そうでなくても交差点に入るときに警戒してのろのろ運転になるでしょうね。
 その結果渋滞がおきたりするかな。」
うさこ 「はいっ!うさこだったらそんな交差点には絶対に入りません!」
たぬき 「うん、そうだね。
 これが実際の会議の場でも同じようなことがおきているの、気づかないですか?」
うさこ 「あ、そういえばこの間私が所属している市民団体でこんなことがありましたよ。
 ある人が意見を言ってくれるのはいいけれど、これが長くて。もう暴走状態でしたよ。
 おかげで他の参加者はうんざりしてましたね。
 その反面、参加しているんだけど何も発言しない人もいるし。
 そのせいで議論がなかなか前に進まなかったんですよ。」
たぬき 「そう、この交通渋滞って会議の場ではよくあることなんです。
 一人が長々としゃべってしまう暴走運転。これは信号や交通整理がいないため、ここぞとばかりに自分の意見を述べているんですね。
 で、そういう人に限って人の意見は全く聞かない。
 反論されると自分の意見を防衛しようという作用がはたらいちゃうので、理論づけのない意見ばかりしか出てこないって事も。信号無視ですね。
 それとうさこさんが言っているとおり、逆にまったく意見が出てこないことも。
 みんな赤信号でもないのにストップしちゃうんですよ。」
コン太 「じゃあ、そんなときにファシリテーターは何をするんですか?」
たぬき 「細かく見るといろんな役割があるんですが、大きな流れで言うとファシリテーターは会議を構成するときに3つのことを注意してすすめることがおおいですね。」
うさこ 「ふ〜ん、3つか。
 じゃあうさこもその3つをおぼえちゃえば、ファシリテータ−ってのになれるんだ。
 楽勝じゃん!!」
コン太 「おいおい、そんな簡単になれるわけないだろっ!
 ほんと、うさこは楽観的なんだから・・・
 失礼しました。で、その3つのことってどんなことなんですか?」
たぬき 「まずは会議の参加者の意識を、その問題に集中させるための『プロセス・デザイン』
 次に、参加者同士の意見を促しコミュニケーション力で解決に向かう『プロセス・マネジメント』
 さらに意見の対立を解決し相互理解を深めるための『コンフリクト・マネジメント』です。」
うさこ 「わぁ〜、うさこ横文字には弱いのよね・・・
 全然楽勝じゃない〜っ!」
たぬき 「まあまあ、そう難しく考えないで。
 それぞれについてはこのあと一つずつ、わかりやすくご説明しますね。」
コン太 「よろしくお願いします。
 でも、会議の形態によっては今あげた3つ以外にもやらなきゃいけないこともあるんじゃないですか?
 逆に、今の3つのどれかが不要だったりするって事は?」
たぬき 「おそらくコン太さんの頭の中には、今まで経験した会議の様子が思い浮かんでいるんじゃないでしょうか。
 あまりうまくいっていないときの。」
うさこ 「そうですよ、コン太先輩!
 たぬき先生のイメージと違うことを思い浮かべているでしょ!
 ホントにダメですよ!!」
コン太 「こら、そういううさこはどうなんだよ!
 まあ、確かにたぬき先生の言うように、今パッと思い浮かんだ会議は私が参加している村おこし会議なんですよね。
 そこではみんなの意見を自由に述べ合おうということで、それぞれが思っていることを思う存分言い合っているんですよ。
 それはそれでいいと思っているんですが・・・そういう趣旨だと『コミュニケーション力』っていうのがいまいちピンとこないんですよね。
 また会議に参加している時点で、参加者の意識は問題に集中しているのでここは不要じゃないかと。」
たぬき 「なるほど。で、その会議ってどのくらい順調に進んでいますか?」
コン太 「あ、いや。
 確かにうまく進んではいませんね。
 参加者の意識レベルはそれなりに高いんですけど、意見がなかなかまとまらなくて。
 全員で一つのことにとりかかろうというよりは、自分が思い描く理想像を早く実現させたいって感じで盛り上がっていますね。」
たぬき 「そうなんですよ。だからこそ、参加者のベクトルを合わせるための『プロセス・デザイン』、参加者が力を合わせて全員で何かを作り上げるための『プロセス・マネジメント』、そこで出てくる対立意見から新たな解決策を導き出す『コンフリクト・マネジメント』が必要なんですね。」
コン太 「あ、なるほど。
 でも、ただの報告会議なんかでもその3つが必要なんですか?」
たぬき 「コン太さんはどう思いますか?
 うさこさんもどうお考えですか?」
うさこ 「そりゃぁたぬき先生が必要だって言うんだから必要でしょ!。」
コン太 「おいおい、ちょっとは考えろよっ!・・・失礼しました。
 そうですね、報告会議だとその報告内容から議論に入ったり、報告内容について反対意見が出たりってこともあるからな・・・それなりに先ほどの3つが必要かも・・・。」
たぬき 「会議にはいろんな形態がありますし、必ずしも3つの役割が全てではありません。
 が、この3つを押さえておくとどんな会議にも対応できるのは確かですよ。
 特に何かの問題を解決するための会議や、新しいものをつくり出すための会議ではとても有効ですね。」
コン太 「う〜ん、ファシリテーターや会議って、奥が深いんですね。」
うさこ 「そう、奥が深いのよ。コン太先輩も成長したじゃないの!」
コン太 「っていうか、うさこ、おまえはどうなんだよ!
 ホントに理解しているのか?
 わかってんだかわかってないんだか・・・」
たぬき 「ははは。
 まあまあそんなにけんかしないで。
 ではこれから先ほどの3つについて詳しく説明しますね。
 しっかりとついてきて下さいね。」

ファシリテーターの役割として必要な3つの技術、果たしてどんなものなのでしょうね?